バウムクーヘン
あのね、志村正彦になりたい。
言うまでもないことなんですけど一応、
志村正彦はフジファブリックのギターボーカルで、2009年に29歳没の魅力溢れる男性です。
ブログタイトルは全世界の数ある曲の中で僕の1番好きな曲です。正直、この曲のタイトルをメールアドレスとかユーザーネームとして使ったりもしてました。そんぐらい大好きな曲です。
志村はメジャーデビューしてから5年で亡くなるんだけど、その間に歌はなぜかどんどん下手になるし、げっそりして目つきも悪くなったりしていきます。
生前最後のフルアルバム、2009年発売の4th「CHRONICLE」は、彼が作詞作曲編曲を全て手がけています。「俺に全部やらせてくれ」と言ったらしい。
感性が豊かというか、周囲に敏感だったというか、だったんでしょうね、というのが、長くファンやってるとなんとなくわかります。
電車に乗ると気持ち悪くなっちゃったり、夜ごはん食べると眠れなくなっちゃうからといってメンバーが夜ごはん食べてるときに一人篭って曲作りしたり、その割にガッツリ飲酒喫煙したり、なんかこう、掴み所がない。
作る曲もそうで、全部の曲がなんとなく全体像を掴ませてはくれない。
向こうは心を掴んでくるのに、こちらからは近付き切れないというか。
「イエー!」と盛り上がる曲でも意味不明な歌詞と構成。
そこに魅力が、そして志村正彦という人物像が凝縮されている気がします。
志村正彦について語れと言われたら1週間くらいできるんですけど、今回言いたいのはね、
僕は志村正彦になりたいんですよ。
音楽的才能に溢れて、なんとなく掴み所がなくて、でも周囲には好かれて、そして悩んで、悩むときはとことん悩んで、でも人前ではちゃんとはっちゃけて、そしてまた一人で悩んで、どうしようもなくなって、自分の功績が多くの人に讃えられながら、30手前くらいで死んでいきたいんですね。
こんなこと言ったらおこがましいのは100も1000も承知で、僕と志村正彦はなんとなく似てる気がするってところがあって、
沈むときは一人でずっと沈むし、それでも人前では元気になるし、身体が丈夫じゃないところも、それでいて身体に悪いことをしたり、言いたいことはストレートに言い難いけどそれでも言いたかったり、言いたいことをちゃんと言うとなんとなく重くなってしまったり、ボケが広いにくかったり。
そんな人間、そして音楽をやってる人間としては憧れてしまうじゃないですか。
ちゃんと、人生すり減らしたいですね。
あと、思うに「TEENAGER」〜「CHRONICLE」期の志村って、私生活で何かしらの悩ましい出来事があったんだろうな、と考えざるを得なくて。勝手な推測だけど。
「CHRONICLE」に収録されてる曲を聴くと、それが恋愛だったりするのかな、とも。
“バウムクーヘン”とか“クロニクル”とか“エイプリル”とか“ないものねだり”あたりを聴くとそんな気もするし、身をすり減らしながらもアルバムを編曲まで全部自分でやりたいっていう衝動も、そういうところから来る気がする。なんとなく僕も、自分を揺るがすことがあるとそういう衝動が湧いてくるから。
しかし、生涯最後のアルバムが「CHRONICLE」というタイトルになってしまうの、すごい人生だなって思ってしまいますよね。
身をすり減らしてしまいたいですね。